ナウパカという花

半分しか咲かない花が教えてくれたこと。

ハワイには、ちょっと不思議な花があります。

初めて写真を見たときは、「あれ?花びらが欠けてる?」と思いました。

でも違いました。

欠けているんじゃない。

最初から、半分しか咲かない花だったんです。

その花の名前は、ナウパカ(Naupaka)

海辺に咲くナウパカと、山に咲くナウパカ。

どちらも花びらは半分だけ。

そしてハワイには、こんな言い伝えがあります。

身分の違う恋人がいました。

二人は深く愛し合っていましたが、一緒になることは許されませんでした。

悲しみの末、一人は海へ、一人は山へ。

そして二人は、それぞれ一輪の花になった——。

だから今も、海と山に咲くナウパカは、半分の花びらしか持っていない。

二つ合わせて、初めて一つの花になる。

そんな物語です。

私はこの話が好きです。

恋愛の話だからではありません。

「離れたら終わりじゃない」という考え方が、すごくハワイらしいと思うからです。

人って、近くにいることだけが「つながる」ことだと思いがちです。

でも本当にそうでしょうか。

卒業して何年も会っていない友達。

遠くへ引っ越した家族。

別々の道を歩くことになった仲間。

もう会うことはできなくなった大切な人。

それでも、その人がくれた言葉は今も心に残っています。

教えてもらったことは、今の自分を支えてくれています。

姿は見えなくても、つながりは消えていません。

ナウパカを見ていると、そんなことを思い出します。

私たちは、つい「足りないもの」を探してしまいます。

もっと完璧になりたい。

もっとできるようになりたい。

でもナウパカは、半分のままで咲き続けます。

最初から完成していない。

だからこそ、誰かと出会い、支え合い、補い合える。

半分だから、美しい。

半分だから、人とつながれる。

そんな生き方もあるんじゃないかなと思うんです。

最近、ふと思い出した人はいますか。

何年も会っていない人。

遠くにいる人。

もう言葉を交わせない人。

その人は、きっと今もあなたの中で生きています。

そして、あなたもまた、誰かの心の中で咲き続けているのかもしれません。

海と山に咲く、二つのナウパカのように。

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